STRONTEC ストロンテック

大空間屋外用虫よけ
(適用害虫ユスリカ)

メカニズム

持ち運びに便利な電池式で、30秒に1回のペースで虫よけ剤を自動噴霧し、
屋外空間の約40平方メートル(本品を中心に半径約3.6m)の広範囲に虫よけ効果を発揮!
※効果は環境条件(風の影響など)によって変動します。
※虫の侵入を完全に防ぐものではありません。

イメージ画像:優しく自動噴霧
30秒に1回、
虫よけ剤をふんわり自動噴霧。
噴霧直前にLEDでお知らせします。
イメージ画像:オートOFF機能
オートOFF機能付き。
5時間後に自動で電源をOFF。
消し忘れの心配はありません。

テクノロジー

STRONTECTMは適切な有効成分を、大空間に的確に散布させることができるため、
確実な効果を実感できます。

イメージ画像:より安全で画期的な有効成分
より安全性を考慮した画期的な有効成分

ピレスロイドは害虫を麻痺させる「ノックダウン効果」に優れており、人体に対する有害性が弱いため多くの害虫の防除に広く使用されていま す。しかし、従来の主要なピレスロイドの多くは蒸散しにくく、十分な効果を得るためには高温の熱源が必要になるため、使用方法も限定されているのが実状でした。
住友化学は蒸散性に富むだけでなく害虫防除能力の優れるメトフルトリン(ピレスロイド系)を開発し、常温で蒸散させ害虫を防除することを可能にしました。

エネルギー効率に優れた超音波噴霧技術
エネルギー効率に優れた超音波噴霧技術

「大空間屋外用の虫よけ」という用途に適切な噴霧方法を検討した結果、STRONTECTM開発陣は、エネルギー効率に優れるピエゾ素子を利用した超音波噴霧技術に辿りつき、単三アルカリ乾電池2本で約60時間の稼働時間を実現しました。電圧をかけると振動するピエゾ素子により有効成分を空中に噴霧します。独自の技術で、広い空間に継続的・安定的に有効成分を拡散させることに成功しました。

実感できるテクノロジー・STRONTECTMが最初にチャレンジしたのは
「大空間屋外用の虫よけ」というコンセプトの具現化

STRONTEC 開発エピソード
化学とものづくりが合わさり
今までなかった虫よけ製品が誕生
快適な暮らしを実現するさまざまな薬剤の
研究開発を行なってきた住友化学が、
安全性を考慮した有効な薬剤を作る技術と、
それを必要な場所に拡散する技術を組み合わせ、
製品として完成させた『STRONTECTM大空間屋外用虫よけTM』。
確かな虫よけ効果を直接お客様にお届けするため、
共に壁にぶつかり、乗り越え、
新たな可能性を見出した担当者の思いをお伝えします。
  • 健康・農業関連事業研究所
    生活科学グループ 主席研究員(テーマリーダー)
    松本 修
  • 健康・農業関連事業研究所 
    生活科学グループ 研究員
    佐々木 崇
  • 生活環境事業部 
    開発部 主任部員
    鶴見 馨
  • 健康・農業関連事業研究所 
    生活科学グループ 研究員
    奥家 孝博

開発のきっかけは
「屋外で誰でも簡単・快適に使える
虫よけがなかったこと」

松本

当社の健康・農業関連事業研究所では、もともと防虫剤や殺虫剤に用いられる薬剤の研究開発を行なっています。
  今回の『大空間屋外用虫よけTM』の開発は、当初、屋内で使う新しい虫よけ製品を作れないかということで始まりました。今から5年以上前のことです。ただ、室内で使う虫よけ製品は世の中にたくさんありますし、検討を重ねていくうちに、屋内ではなく屋外、そして私たちの開発する薬剤に、それを噴霧する新しい技術を加えた製品を作れば、これまでにない効果を届けられるし、より魅力ある製品として提案できるのではないかという方向性が見つかりました。

写真:松本
佐々木

屋外でしっかりと虫よけ効果が得られれば、虫に悩まされずに外での作業が快適にできるし、屋外で食事も楽しめるという話になりました。
  屋外用というとほかにもエアゾール製品があり、効果も高いのですが、いちいち噴霧しないといけない。自動でできたらなあという思いでした。
  いざ使うとなれば、メリット、デメリットを考えて、その中でも特にお客様の安全性を考えなければいけません。火や可燃性の圧縮ガスを使わない製品が作りたかったんです。

写真:佐々木
松本

開発にあたっていろいろな人の意見を聞く中で、花を育てるのが好きな母のことも思い浮かべました。草むしりや花の手入れをしながら、よく「虫が気になる」と言っているんです。日常生活の中では、確かにそうだろうなと実感するところがありましたね。庭いじりを含め、屋外での趣味や仕事、食事などの場面を考えると、気軽に持ち運びができて、性別や年齢を問わず誰にでも簡単に使えることが必要だなと思いました。
  そこから、私たち化学系をバックグラウンドとする人間だけではできない製品開発、従来当社ではやっていなかった、最終のものづくりまで行なう開発が始まったのです。

写真:松本

「ピエゾ素子」を応用した噴霧技術に着目。
薬液+拡散の製品化に向け、
設計部門とタッグ

佐々木

では、具体的にどのような製品がいいのか。屋外で使う既存の製品を比較しながら考えてみた時、安全性の問題のほかに、屋外で虫を寄せ付けない、しっかりとした空間が作れるかという課題がありました。
  そんな時に着目したのが、ピエゾ技術です。これは電圧をかけることで伸縮するピエゾ素子を応用した噴霧技術で、火もガスも使わないし、熱源も要らない。伸縮による細かな振動で、有効成分を噴霧するものです。

写真:佐々木
松本

ピエゾ素子は消費電力が少なく、小型にできるのが特徴です。携帯電話のスピーカーやインクジェットプリンタなどに使用されています。他にも拡散できる技術はありましたが、屋外の空間に効率的に拡散できるということで、ピエゾ技術が有効でした。

佐々木

この技術を使うと決まってから、最初のプロトタイプができるまでは意外に早かったですね。第一段階のプロトタイプは、ここから噴霧するというリング状の部分と電気基板、カートリッジでできていて、とりあえず組み合わせて作るだけならすぐだったんです。
  ただ、制御や電気のこととなると、私たち化学系の人間ではよくわからない。今まで液の解析しかやっていなかったので、このような場合、どこを見ないといけないか、そこからわからなかったんです。

写真:STRONTEC
松本

最初のプロトタイプにも基本的な構成要素が入っていますから、実際にどのくらい効果があるかの評価はできるのですが、本当に商品として使いやすいように配置したり、作りやすいように設計したりというところが、この第一段階では、私や佐々木には見えていなかった。電気のエネルギー源と振動させ噴霧させるという技術を、両輪としてうまく入れ込んでいかなければならなかったんです。
  そこで、構造設計系のメンバーの力が必要になり、機械設計を専門にしてきた鶴見と奥家に、今回のプロジェクトに加わってもらいました。このようなものづくりは、私たちにとって初めてのことでした。

写真:松本
鶴見

最初のプロトタイプでは、お客様がスイッチを入れたり、カートリッジを交換したりなど、どのように使われるかという動作は確認できませんし、その位置を決めることもまだできません。外観デザインはデザイナーが担当し、消費者調査をして、どういう形状や色が好まれるかについて調べて初めて外観が決まり、その大きさに合わせてカートリッジの位置や配置を設計するのですが、デザインを絞ることに始まって、このプロジェクトはずいぶんと長い時間を要することになったのです。

写真:鶴見

目指したのは、
しっかりと効果が発揮でき、
お客様にとって使いやすいこと。

鶴見

われわれにとってのテーマは、お客様にとっていかにわかりやすく使いやすく設計するかということです。持ち運ぶものなので、落下した時に壊れないか、強度的な部分ももちろん考えます。「迷わず簡単に使える」というものを目指していたのですが、試作の段階ではクレームというのか、「かなりはずしにくい」「改善してくれ」というご意見はいただきました。
  デザインは7種類の候補があり、薬液をミストにして真上に噴き上げるので、粒子がなるべく付着しないよう、天面が小さくて下が広がっているものが好ましいということで絞り込みました。薬液が付いた場合も触れにくいようにわざと表面をへこませたのですが、そうするとへこんだところに水がたまってしまうので、水受け用の穴を作り、下に落ちるようにダクト構造も考えました。

写真:STRONTEC
佐々木

一方、薬液を開発するわれわれにとっては、きっちりと噴霧ができて、虫に対して効果があるかどうか、そこが大事なところです。どんなにいい形でもそこがちゃんとしていないと意味がない。薬液中の有効成分を何パーセントにするか、1回に噴霧する量と間隔、想定するシーンや使用時間に従って設計を行いました。ポイントになったのは、噴霧の時の高さです。より高くすれば有効成分が空間に広がりやすくなるからで、そのような視点で薬液の研究を行いました。

写真:佐々木
松本

今回の製品が効果をもたらす半径約3.6メートルという広さは、ガーデニングやお外で食事をする際にこのくらいほしいという広さです。開発の視点から言うと、一定の間隔で薬液を噴霧していく一方で、風などによる自然拡散も考え、気中での濃度を測るなどの検討の中で見出した、現実的な大きさでもあるのです。

写真:松本
奥家

機械設計を行なう者にとっては、一般的な電化製品の場合は動作ができるかどうかが大事だったのですが、今回は薬液を使いますから、安全面に対する十分な配慮が必要になりました。
  電化製品にも加湿器のように、水を使うものがありますが、この場合、カートリッジの中は薬液なので、安全性には特に注意する必要があります。この部分についてのチェックはシビアでしたし、構造面でいろいろなケアをしながら仕上げていきました。アウトドアで使うものなので、蹴飛ばされても大丈夫なように、強度を含め構造面では様々な想定で試験をし、さらに薬剤を扱う上での試験も細かく行いました。

写真:奥家
鶴見

類似商品がないので、どの試験を当てはめたらいいかがわからない。とにかく厳しめ厳しめで試験を行ないましたから、まとめるだけでも時間がかかりましたね。
  夏に使う商品なので製造のスケジュールも自動的に決まってきます。開発を終えてから部品の調達までプレッシャーはけっこうありました。

奥家

製造段階に移ってからも、濃い色の製品ですからウェルドラインといって溶けた樹脂の流れによって起こる線が目立つなどの問題があって、成型条件を調整するなどわれわれの分野で時間をかけることがまだありました。

松本

化学系が苦労したステージと構造設計が苦労したステージ、それぞれあるんです。

写真:鶴見

異なる分野の人間が
共に取り組み、
未だないものを世に出す責任と喜び。

佐々木

今回は初めてのご家庭用製品の開発ということで、不安もありましたし、今もこれで十分だっただろうかと思うこともあります。これまで薬剤のことはやってきましたが、今回の新製品の開発では、知らないことが山ほどあることに気づきました。通常薬剤だけなら3、4項目で済む試験も、数えきれないほど一気に項目が増え、したことのない実験もあって時間がかかりました。
  構造担当のメンバーと一緒に開発することになって、化学系の人間だけではわからなかったことを知ることができましたし、たとえば、製品の尖った角を示す「シャープエッジ」という言葉など、初めて聞く言葉の意味を教わることが多かったですね。
  実際に製品が販売されているのを見て、やはりうれしく思いましたし、次の開発に向けてのマインドもできました。

写真:佐々木
松本

これまで研究開発を行ないながら、自分たちの手がけたものがひとつの形として世に出て、人の役に立ってほしいという思いで続けてきましたから、今回その結果として製品ができあがり、たいへんうれしく思っています。
  この製品は、薬剤の開発だけでなく最終のものづくりまでという新しい取り組みで、予想以上に時間がかかりましたが、これを土台として、今後さらによいものを作ることを目指していきたいと思います。

写真:松本
鶴見

せっかく新しい製品ができたので、これからたくさん売れて、みなさんに使っていただきたいと思います。
  製品についてお知らせする上で、この効果を何をもって示せるかというのが、課題でもあります。カタログなどで表現しても、こういうふうに効くと訴求しにくいのが、もどかしいところですね。製品のことを多くの方に知っていただきたいと思っています。

写真:鶴見
奥家

当社として最終製品というものがあまり無い中で、われわれがラボで研究開発していると、他の社員が興味深そうにのぞいてきて「これは何ですか?」と質問したり、実際に製品が完成すると、社員が一緒になって喜んでくれたりしたところが、私もうれしかったですし、他のみんなも同じ気持ちだったのではないかと思います。
  ジャンルの違う人間が一緒になって取り組んで、一つのものができたということで、達成感がありました。

写真:奥家
写真:松本,佐々木,鶴見,奥家

化学技術と構造設計技術を組み合わせることで一つ一つ課題をクリアし、
想定したシーンに合う虫よけ効果と使いやすさとの両立が実現しました。
これまでになかった製品として、自信を持っておすすめしたいですね。

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